FARGO/ファーゴ season 1 「This is a true story.」で始まる嘘と欲とひたむきさの大人向けドラマ

 This is a true story.

 これは実話である。

 

 FARGOとの出会いは一冊の本がきっかけでした。


 小説を書くためのヒントになればと思い、映画脚本術について書かれた「SAVE THE CATの法則 危機一髪!猫を救え 本当に売れる脚本術」という胡散臭いタイトルの本を読んでいました。

 

 著者はハリウッドで実際に脚本を書き、何本も売っているブレイク・スナイダーという方ですが、すでに故人。しかしタイトルの安っぽさとは裏腹に非常に実践的な具体例を挙げての説明内容は、翻訳の軽妙さもあり、こうした類の本にしてはスイスイと読み進められ、必要なところは繰り返し読んだり、ノートにまとめていました。


 その中に映画のジャンルについて書かれた項があり、(著者は全ての映画は10個のジャンルに分けられると言い切っています。乱暴なようですが読めば納得します。)そのジャンル分けの一つの典型として今回お勧めする「FARGO」が載っていたのです。(ちなみに「FARGO」のジャンル名は「なぜやったのか?」←これがジャンル名なんです。)厳密には映画版「FARGO」について紹介されているのですが、これが「FARGO」と私とのファーストコンタクトです。

 

 実は本の中で紹介された「FARGO」と同じジャンルの映画にケヴィン・コスナー主演の「JFK」があり、こちらを先に観たのですが、まどろっこしくて全然面白くなかったのは秘密です。


それで次に「FARGO」を観てみることにしたのです。

 

 なぜ映画版ではなくテレビ版かというと、「Netflix」いわゆるネット配信のおかげ、というか、せいです。レンタル店に行かなくてよい、好きなときに観られる、期限がないという手軽さで始めの内は風呂上がりに体を拭きながら10分とか20分ちょこっと観たりしてたんですが途中から妙に後引く感じで続きが気になり、一日一話、それから休日にまとめて観るようになってしまいました。

 

 始めはたしかに勉強のつもりで観始めたんですが、いつの間にかいちファンになってしまい全く勉強どころじゃなくなってしまいました。

 

 ナッツやポテチ、スルメイカのように後引く嘘と欲とひたむきさのドラマ「FARGO」の魅力をまとめてみました。

 

「FARGO」のここを観てほしい!
‥仂貎擁が濃密

 登場人物たちのキャラクターが立っているのが本作の一番の見所だと思います。

 

 キャラクターが立つというのは登場人物が個性的で似たような人物、没個性の人物がいないことです。田舎町の一般人の出てくるドラマでともすれば凡庸にステレオタイプに陥りそうですが皆、一癖あったり、応援したくなったりします。


「こんな人いるよな」とか「こういう人いるんだろうな」と思わせる人物が次々に出てきます。

 

 一般市民から殺し屋、犯罪組織までもが出てきますがその誰もがそこに生きている、なにかを欲している感じが生々しく伝わってきます。


 キャラクターや町、家、仕草の作り込みが素晴らしく、主要登場人物はもちろん、ほかの登場人物についてもそれぞれスピンオフが一話くらい作れるんじゃないかと思わせます。


 私のお気に入りは、断然ローン・マルヴォ。凄腕の殺し屋です。非常にミステリアスなのですが同時にリアリティ・現実感もある。彼の氏素性はほとんど謎のままでとんでもない犯罪者なのですが、なぜかひょっとしたらいい奴なんじゃないかと思ってしまう魅力的なキャラクターです。


 ちょっと話が逸れますが日本国内の映画やドラマは美男美女を揃えすぎじゃないでしょうか?「FARGO」を始め、アメリカのドラマを観ていると外見も含めて多士済々という感じですが、国内はどうもマネキン感があるんですよね。

 

「FARGO」のここを観てほしい!
突き放したカメラワーク

 カメラワークが非常に凝っていて退屈になりそうな場面をそうとは感じさせません。

 

 クルマが走るシーンが非常に多いのですが、毎回違う撮り方をしているので飽きさせずに不安感を煽ったり、侘びしさを感じさせます。

 

 ,離ャラクターの濃密さと相反するようにカメラワークはわざと突き放したような撮り方をしています。そのせいで登場人物たちに不思議な透明感が出ているように感じます。

 

 俯瞰や引きなどで芝居が同時進行しているシーンなどはある意味贅沢なショットと言えると思います。

 

「FARGO」のここを観てほしい!
That's AMERICA!

 ミネソタ州。季節は冬、雪に閉ざされた僻地を舞台に「FARGO」は語られます。

 ニューヨークやロサンゼルスといった都市とはまた違ったリアルなアメリカを観ることができます。

 

 私は吹き替え版で観たのですが、英語版だとミネソタ訛りが再現されているそうです。

 

 音楽がたくさん流れますが風景や心情と合わせてAMERICAの一面を観ることができます。

 

「FARGO」のここを観てほしい!
どが吹けば桶屋が儲かる。

 プロットは考え抜かれています。

 

 日常の中に突然犯罪が割り込んでくる。なんでもない一言や、どうということもない行いが巡り巡って自分の元に災いとなって還ってくる。そんなプロットが複雑ながら非常に面白いです。

 

 理不尽だけどその通り、めちゃくちゃだけど理路整然、濃いキャラと感情のないカメラワークが相まって滑稽さ、やるせなさ、不安感といった独特の雰囲気を醸し出しています。

 

 

 以上、簡単にまとめました。

 

 大人向けの海外ドラマとして夜中にボーッと観ていただくのがお勧めです。いわゆるハリウッド的な痛快さやヒロイックさはないですが、見始めると妙に気になるドラマです。金曜の夜にでも試しに観てみてください。

 

 と、ここまで「FARGO」のいいところを挙げてきましたが、正直ちょっと気になったところもあります。


まず、たとえ話が多い。

 

 なにかっていうと登場人物の口からたとえ話が出てくるんですがいまいちその意味がわからない。話が長いというか…。

 

 それからご都合主義。けっこうあっさり証拠を隠せたり、逆にみつけられたりとポンポン話が進む。そのもどかしさやら、なるほど感が本作の魅力でもあるんですが、まぁそうしないとテンポが悪くなるのはわかるんだけど…。

 

 最後に、エロシーンをもっと長くして!


 これは、まぁ、そのまんまです。雑な感じで始まるのがすごくイイんですよ。…しかしこれは、忘れてください。

 

 いろいろ書きましたが、「FARGO」お勧めの海外ドラマです。

 

 かっこよさとか美しさとは無縁のアメリカの田舎町で起きた事件をみつめる物語です。人間の汚さ、尊さ、理不尽さそして優しさを味わうなら是非「FARGO」を観てみてください。

 

 実は 「FARGO season 2」もありますのでお楽しみに!

 

下のDVDジャケットの左側に写っている髭の男がローン・マルヴォです。

スピンオフか何かで復活しないかなぁ…

右はレスター・ナイガードこの男二人の奇妙な運命の擦りあわせで物語は進んでいきます。

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これが胡散臭い(笑)タイトルの素晴らしい脚本術の本

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万人が読んで面白いものではないけど、脚本とか舞台とかそういったものの創作の秘密に興味がある方にはオススメです。

いつかこの本についてもご紹介したいと思います。

 

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